竜田揚助の数理科学解説所

数学、物理、について書いてます。

読めばわかる一般相対論3(平面上のテンソルpart3)

共変微分

今回は共偏微分の性質について見ていきます。まず用語を紹介します。一階のテンソルのうち、

  • 上添字が付いたもの…反変ベクトル成分
  • 下添字が付いたもの…共変ベクトル成分

と名前が付けられてます。それでは本題に入っていきます。

前回反変ベクトル成分の共変微分がさらりと出てきたのは、端的に言ってしまえば

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とベクトルが書かれるからでした。

そこで下添字の成分の共変微分を考えるには、上添字のベクトル成分と下添字のベクトル成分の内積をuで微分したものを考えることでやや無理矢理求めます。

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であり、直線座標系におけるベクトル成分を「’」付きで表記することにすると、

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と書かれます。スカラーは座標によらず不変ですから、AB=A’B’です。よって今考えた二つの式は等しくて、少し注意してみるとこの二つの式の第一項は各々値が等しくなっていることが分かります。(実はこうなることを狙ってⒶに少々不自然な変形を施したのです。)ですから、第二項も各々が等しくなり、

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と言うことが分かります。これとまったく同様にして、直線座標u'と曲線座標u''の間の変換の式を求めると、

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になります。(曲線座標u''にかかわる量はすべて「’’」を付けて表しました。)

以上から、曲線座標間での変換則は、

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となり、(つまり、直線座標を仲介役として二つの異なる曲線座標を結び付けたのです。)

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で定義される式はテンソルであるとわかります。そこで上式を共変ベクトル成分の共変微分と定義します。

添え字が複数個あるテンソルの共変微分も基本的に同様に、

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のようなスカラーを作って計算していくことで導かれますが、なかなか大変ですのでここではその結果だけを載せておきます。

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これでどんなテンソルでも共変微分することができるようになりました。

次回は計量テンソルとその特性を見ていきます。ぜひご覧ください。

 

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