竜田揚助の数理科学解説所

数学、物理、について書いてます。

読めばわかる一般相対論2 (平面上でのテンソルpart2)

共変微分

まずは曲座標上における、ベクトル場の偏微分を考えます。

そのベクトル場の成分

 

は、直線座標(x)ではX‘’となり、曲座標(u)ではX、極座標(u‘)ではX’となっていたとします。

まず直線座標でXのj成分ををxのi成分で偏微分したものを、前回導いた座標変換の式を用いて変形していくと、

f:id:Hannak:20210913140237p:plain

ここで上式の最終段の第一項について、

f:id:Hannak:20210913140247p:plain

という風にΓ(ガンマ)をおきます。このΓはクリストフェル記号と呼ばれ、長い付き合いになるものです。そうすると、二つ上の式は、

f:id:Hannak:20210913140250p:plain

と表記されます。別の曲線座標(u')でも同じことをすることで、(u'における量はそれに相当するuにおける量に「’」を付けて表すこととします。)

f:id:Hannak:20210913140254p:plain

これをさらに変形して、

f:id:Hannak:20210913140258p:plain

ですから、結局

f:id:Hannak:20210913140302p:plain

となることが分かります。これはどういうことかというと、直線座標で考えた時の偏微分(大学に入ってすぐに学ぶ普通の偏微分のことです)はテンソルではなく、その代わり、偏微分にΓを含む余計な項を付けたものがテンソルになるというのです。しかし少し視点を変えてみると、これまで親しんできた偏微分は直線座標しか考えてこなかったがために「クリストフェル記号=0」となっていて、ガンマを含む余計な項が隠れてしまっていたと解釈することもできます。そうすると、新たに共変微分という

f:id:Hannak:20210913140305p:plain

で定義された微分を使っていくことに対して、そんなに抵抗はないのではないかと思われます。(偏微分作用素が∂だったように共変微分作用素は∇になりますが、本によっては別の表記をすることも多いです。)

 

これで共変微分を導入することができました。次回は下付きの添字のベクトル成分の共変微分や共変微分の性質について考えていきますのでぜひともご覧ください。

 

続き