竜田揚助の数理科学解説所

数学、物理、について書いてます。

読めばわかる一般相対論4(平面上のテンソルpart4)

今回は計量テンソルとその性質、接続係数との関係を考えていきます。

 

《計量テンソルの導入》

まずは直交座標(x)に曲線座標(u')があるとして(2次元の時は下図です)

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ここでパラメータtを取って点xが曲線を描くとします。

式にすると

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です。ここでtを微小に動かす時のxの変化分は、

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ですからこの大きさの2乗を考えると、

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ここで下のように新しい記号gを定めました。

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この①という記号が今回の主題の計量テンソルです。

このことから、曲線の線素の2乗を計量テンソルで表して、

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が成り立つとわかります。

つまり、曲線の長さという量を計るテンソルとして計量テンソルが考えられているのですね。

上式は座標変換においても変化しない量でして、相対論的ラグランジアンを考える時に大活躍します。

 

《計量テンソルの性質》

はじめの式から明らかかもしれませんが、曲線座標を変えても不変であることは下のようにして示されます。ここでu‘は新たな曲線座標成分です。

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ちなみに計量テンソルは考えている座標や位置によって変化します。

ですので上式の最後で曲線座標(u‘)における計量テンソルをg'としました。

また

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には必ず逆元があって、それを

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で表します。このことはいつでも下のような計量テンソルを含むテンソルにその計量テンソルの逆元を掛け合わせれば、元のテンソルに戻せることを意味します。

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つまり形は変われど持っている情報が損なわれることはなく、テンソルの添字の上げ下げを自由にすることができるのです。そこで新たに下のように添字を上げ下げした別のテンソルを定義します。

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次は接続係数と計量テンソルの関係です。実は以下の関係になっていることが知られています。

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右辺からたどっていくことで上式を示していきます。

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ですから

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これと同様のことを①の残りの2項にもやればよくて(対称性から計算しなくても平気ですね)

 

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以上で解決しました。

最後に計量テンソルを共偏微分してみます

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ここで接続係数と計量テンソルの関係式を示すのに計算した式を使いました。

今回はここで終わります。次回はビアンキ恒等式と曲率についてです。

 

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