竜田揚助の数理科学解説所

数学、物理、について書いてます。

自然数の2乗の逆数和を求める4通りのapproach(後編)

前編では積分を使った地道な方法とオイラーさんのエレガントな方法でBasel問題を解きました。ご覧でない方はぜひ下のリンクから併せてご覧ください。

自然数の2乗の逆数和を求める4通りのapproach(前編) - Do-Douの大学聖日記

この後編ではフーリエ級数展開を用いてあっけなく求める方法を2通り紹介いたします。

 

 

フーリエ級数展開について

まずフーリエ級数展開についてご存じない方はこちらをご覧ください。わかりやすさを優先してざっくりと説明しているつもりです。他にもフーリエ級数展開はさまざまなサイトで紹介されておりますから、Google検索すればたくさん見つかると思いますし、本格的に勉強するなら『物理現象のフーリエ解析』という本がおすすめです。内容はもちろん感動ものですが、ちくま学芸文庫から出ていますから文庫本サイズでしかも安いのが良いです。

 

一応ここでもざっくり説明すると、ある程度都合の良い周期が2Lの関数であれば下のように展開できるというものです。

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フーリエ級数展開を用いた解法①

このことを使って下のような周期関数を展開してみます。

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このケースでL=πであり、係数は、k=0とk≠0で分けて計算すると、

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となります。ですから考えている関数は、

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となります。この時特にx=πを考えると、次の等式が成立します。

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最後にこれを整理して、

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がわかります。素晴らしいくらいあっけなく解けてしまいました。他の関数に対してもこれと同じような手法を用いることでπを無限級数和で表現できますからやってみるとそれなりに面白いものです。(自分は計算が苦手ですのでやったことはありませんが)

 

フーリエ級数展開を用いた方法②

こちらも先ほどと同じ手法ですが、展開される関数が異なっており今回は下のような周期関数です。

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同様に展開公式に当てはめると係数は、

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となりますから、

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と展開されます。そこで特にx=πを考えますと、

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となり、整理して

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が得られます。ちょっとこれじゃあ奇数だけの和で歯抜けじゃないかと思われますが、受験数学でよくある下のような変形によって、Bessel問題に帰着されます。

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よって、

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となり、求まりました。

なんとも言えない解法だなぁと個人的に思ってしまいます。なぜでしょうか。。。分かりません。

 

というわけでこれで一応4通りの解法を紹介できました。筆者は大学受験以来つまり4ヶ月ぶりの積分で疲れてしまいました。受験生の方でお時間のある方は、前編の積分を用いた解法と、今回のフーリエ級数展開の計算を自分でもやってみるといいと思います。

 

前編はこちらからどうぞ。

 

hannak.hatenablog.com