竜田揚助の数理科学解説所

数学、物理、について書いてます。

デルタ関数の定義と性質を総まとめ(随時更新中)

物理学の世界でよく出没するデルタ関数についてまとめていきます。

 【目次】

 

(1)デルタ関数のニュアンス

デルタ関数は一言で言うとパルス波型の関数で、下のように極限をとった関数です。

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とても現実に存在するとは思えない形をしているのにこれが自然法則を記述する際に重要な役割を担ってるのは不思議なことです。また数学的にも従来の関数の概念を超えているため超関数と呼ばれています。ニュアンスがつかめましたら次は定義です。

 

(2)デルタ関数の定義

デルタ関数の定義は下です。

x=0で∞、x≠0で0

−∞から∞までの積分は1

また次のような性質があります。

デルタ関数は偶関数

これも定義に入れている人もいたような気がしますが、持っている本やネットをいくつか調べてもそのような人はいらっしゃらないですから、ここでも定義から外しておきました。

これがデルタ関数の定義です。数学的にはもっと厳密性が必要かもしれませんが、物理を考える上では十分でしょう。

 

(3)ヘビサイトの階段関数との関係

ヘビサイトの階段関数というのはその名の通り階段一段分のような見た目をしており、ちょうど下図のような関数です。

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ここでデルタ関数積分を考えると、

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ですから、今度は微分して、

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という関係式が分かります。階段関数はx≠0では平坦で、x=0においてのみ無限大の傾きで1だけ増加することからも理解できますね。これを用いると次の性質が分かります。

 

(4)デルタ関数の抽出性

デルタ関数とある関数との積の積分は面白い結果になります。実際に部分積分と(3)の階段関数との関係式を用いて計算すると、

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つまり、

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が成り立ちます。これはまるでデルタ関数がf(t)のうち、t=xの時だけを抽出しているみたいですので抽出性と呼ばれることがあります。

 

院試の過去問を見るとたくさん話題があるようですし、グリーン関数などの重要なテーマもデルタ関数と関係してきますのでこれからもまめに更新していこうと思います。

それでは。

 

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