竜田揚助の数理科学解説所

数学、物理、について書いてます。

ざっくりわかるフーリエ解析part3(パーセバルの等式)

今回は、パーセバルの不等式というフーリエ解析の知識からただちに導かれる等式を紹介いたします。この等式を使った練習問題程度の計算によりかなり興味深い事実も確認できますのでぜひとも最後までご覧ください。

 

【目次】

 

フーリエ級数展開におけるパーセバルの等式

前回の復習となりますが、ある程度都合の良い関数は

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と展開されるのでした。ただしCkは何でもよいわけではなく、

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によって定まる係数ですね。これを用いると、

(f(x)は値が複素数となる関数でもよく、また式中の「*」は複素共役を表すことにします。)

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以上から、

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という等式が得られました。これはパーセバルの等式と呼ばれており、ためしにf(x)=xとして計算してみると、

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であり、

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となるので、前回、例題として求めた、

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という事実が再び確認されました。

 

フーリエ変換におけるパーセバルの等式

先の結論に対応するものはフーリエ変換においても存在します。

確か前回の記事によると、フーリエ変換の公式は、

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であり、これを用いて以下のような計算を行うと、

(ただし今回はf(x)は実数関数であるとします。)

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ですから、結局

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が成立することがわかります。これをフーリエ変換におけるパーセバルの等式と言ったり、レイリーのエネルギー公式と言ったりします。

こちらの適用例は記事の初めに述べた通り大変興味深く、非常に簡単な下図のような関数にこの公式を適用します。

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まずフーリエ変換したものは、

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と計算され、これを用いて公式の右辺と左辺を計算していくと、

まず左辺は、

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であり、次に右辺は、

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であるので、

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という積分が求まりました。ちなみに

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という類似の積分の結果もまたπですがこれとは全く違う解法によって求まります。この積分についても記事を出しておりますので興味がありましたらこちらをご覧ください。

 

以上で数学の準備はひとまず終わりです。足りないところがあったとしたらその都度補っていくとして、次回からは物理現象に目を向けていきたいと思います。

 

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