竜田揚助の数理科学解説所

数学、物理、について書いてます。

ルベーグ積分part2(ルベーグ積分の直感的導入)

 前回はルベーグ測度を直感的に導入しましたが、今回も引き続き直感的にルベーグ積分のほうを見ていきたいと思います。(より厳密な議論は次回以降きちんと行います。)

まずは、積分のイメージです。ルベーグ積分について簡単に述べているウェブサイトやyoutubeを見たことがある方はご存じかと思いますが、ルベーグ積分の場合は積分区間を縦ではなく横に割っていきます。図にするとちょうど下のような感じですね。(今回は簡単のため一変数関数を扱っていきます。)

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縦軸を適当な区間に分けると、その各々の区間に対応する横軸の領域はいくつかの区間にまたがって存在していますが(上図で黄色く塗ったA₃などがそうです。)これらをまとめてひとつの集合だとします。

そして、横に分割している赤い線を目安にして下図のようなデジタルっぽいかくかくのグラフ(青線)を取ります。

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このかくかくのグラフをφ(x)と名付けると、

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という関数を用いて、

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で書き表すことができます。(a₁a₂a₃…は上図のように定めました。)

そして肝心な積分はというと

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で定義されます。これがルベーグ積分です。

 この式で気になるのは、m(dx)が出てきている点です。このmはルベーグ測度のことです。リーマン積分できないような関数では上図におけるA₁などの領域の長さを普通の意味で測ることはできませんが、ルベーグ測度を用いることでこの困難を解決することができます。このことから、ルベーグ積分はリーマン積分の兄弟分的なノリで作られたものではなく、その根底にはもっと深い理論が存在しているのだということを感じることができます。

 これから続く記事ではこの理論をできるだけ簡潔かつ分かりやすく書いていくつもりですので、ぜひともご覧ください。

 

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